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2006年7月24日 (月)

THE ORIGINAL SOUNDTRACK/10cc

10cc_osiPodのプレイリストにはトップ25なるリストが自動で作られるようになっている。これはiPodで再生した頻度の高い曲から順に25曲をリストアップしてくれるというものだ。さて、僕の場合iPodで最も多く聞いている曲ってなんだろう・・・。う、やはりこれか。2位以下をまったく寄せ付けないダントツの第1位。
その曲というのは10ccの「I'm not in Love」。当時、日本ではヒットしなかったらしいが、'75年の世界的大ヒット曲である。もちろんヒットした時期にリアルタイムには聞いてはいなかったものの何度かラジオなどで聴くうちに好きになった曲だ。大学生の頃、当時付き合いのあった女の子に「10ccが好きだけどレコードが手に入らない」と言ったら10ccの「Original SoundTrack」と「How dare you」の2枚のアルバム、そしてKorgisのベストアルバムを買ってきてくれた。「さすがOLさんだ~」と、当時とても感激したことを憶えている。

「I'm not in Love」は「Original SoundTrack」のほうに収録されている。もちろんホントの映画のサウンドトラックなんかではなくて「架空のサウンドトラック盤」というコンセプトで作られたアルバムである。ポップス、ロックの世界では不朽の名曲、21世紀に残したい名曲としていつも名前が挙がってたし、何度もCMで使われてきた曲だから結構ポピュラーな名曲ではあるだろう。
ただ10ccというバンドは元々売れ筋の音楽を作るような連中ではない。むしろものすごくヒネクレた音楽を作る連中だ。また4人のメンバー全員がメインボーカルを取れるし、レコーディングも自らのエンジニアリングでやってしまうというとんでもない器用なバンドでもある。よく語られているのは美メロ担当のスチュワート&グールドマン組と実験音楽担当のゴドレイ&クレーム組の絶妙なバランスで作る音楽の素晴らしさだ。特に「I'm not in love」はそういったこのバンドの特徴が最高の形で結晶したある意味奇跡のような曲である。キーボードとギター、そしてバスドラムだけというシンプルな構成に乗る美しいメロディはスチュワート&グールドマンによるものだが、この曲を特徴付けるのはゴドレイ&クレームコンビが作った超絶的に美しいコーラスパートだろう。ボーカルパートをオーバーダビングして作ったものではあるのだろうけどエレクトリックでクールな肌触りもあり、時にはストリングスのようにも聞こえたりする。深いです、厚いです、美しいです、包み込まれてしまいます。'75当時この音を出すには気の遠くなるほどのテープダビングを繰り返したはずだ。職人的というより偏執狂的執念さえも感じる。ボーカルパートがコーラスの渦の中に溶け込んで行ってしまうとこなんか、よーく集中して聴くとなんだか少し背筋がぞっとするような恐ささえ感じる。今でこそこんな雰囲気のコーラスなんて電子機器を使えばいくらでも作れるはずだが、この「I'm not in Love」のコーラスパートは今でも古臭さや手作り的な安っぽさを微塵も感じないばかりかむしろ聴くたびにその凄さを改めて感じてしまう。
夜のドライブでこれを聴くのが好きだった、いやいまだ好きなんだ。このコーラスに車内が満たされると走りながらしゅわ~っと夜の中に溶けて行ってしまいそうな気分になる。
アルバム「How dare you」を最後にグループは2つに分裂した。もちろんスチュワート&グールドマン組とゴドレイ&クレーム組にだ。10ccの名はスチュワート&グールドマン組に引き継がれたがもう僕には全くそんな10ccには興味が無くて当然のようにゴドレイ&クレームのほうに傾倒していくのだった。

I'm not in love
So don't forget
It's just a silly phase I'm going through
And just because I call you up
Don't get me wrong
Don't think you've got it made
I'm not in love
Oh no

It's because..

I'd like to see you
But then again
It doesn't mean you mean that much to me
So if I call you
Don't make a fuss
Don't tell your friends about the two of us
I'm not in love
Oh no

It's because

(Be quiet...big boys don't cry...)

I keep your picture
Upon the wall
It hides a nasty stain that's lying there
So don't you ask me
To give it back
I know you know it doesn't mean that much to me
I'm not in love
No no

It's because..

Ooh, you'll wait a long time for me
Ooh, you'll wait a long time
(repeat)

I'm not in love
I'm not in love

これって男のほうが女の子をつれなく振っている歌だとずっと思ってたんだけど、実は女に振られた男が強がって「恋なんかしてない」って言ってるんだと最近になってやっとわかってきた。「君の写真はまだ飾ってるけど壁の汚れを隠すためなんだ。だから返してなんて言わないで」なんてさ。
まあとにかく苦い曲ではありますよね。

「THE ORIGINAL SOUNDTRACK/10cc」
1.Une Nuit A Paris' パリの一夜
  Part 1 : One Night In Paris  パリのある夜
  Part 2 : The Same Night In Paris  同じその夜のパリ
  Part 3 : Later The Same Night In Paris  夜がふけて
2.I'm Not In Love  アイム・ノット・イン・ラブ
3.Blackmail  ゆすり
4.The Second Sitting For The Last Supper  2度目の最後の晩さん
5.Brand New Day  ブランド・ニュー・デイ
6.Flying Junk  フライング・ジャンク
7.Life Is A Minestrone  人生は野菜スープ  
8.The Film Of My Love  我が愛のフィルム  

HMVのサイトの掲載されていたバイオグラフィーがすばらしい。4人のメンバーの過去から現在まで実に完璧に網羅されていてしかも感情を廃し淡々として簡潔。これ抜粋してパクってここに載せようかと思ったけど一字一句削るのがもったいないので、保存のため以下全編無断引用(笑)

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10ccのメンバーはエリック・スチュワート(vo,g)、グレアム・グールドマン(b,vo)、ケヴィン・ゴドレイ(ds,vo)、ロル・クレーム(g,key,vo)4人。ポッとでの新人バンドではなく、エリック・スチュワートはウェイン・フォンタナ&マインドベンダースのメンバーとして人気を博し、グレアム・グールドマンはモッキンバーズ(ケヴィン・ゴドレイも参加)等バンド活動をする傍ら、ヤードバーズの「フォー・ユア・ラヴ」、ホリーズの「バス・ストップ」などのソングライターとして数々のヒット曲を生み出していた。4人は’68年頃からマンチェスターにあるストロベリー・スタジオでセッション活動を通じて出会うようになり、’70年には渡米中だったグレアムを除く3人でホットレッグスを結成、デビュー・シングルの「ネアンデルタール・マン」はUKチャートで2位の大ヒットとなった。グレアムが帰国し、ラマセス等のアルバム参加を経て、UKレコードのジョナサン・キングに見出され、4人は10ccとして’72年にシングル「ドナ」でレコード・デビュー、サード・シングル「ラバー・ブリッツ」では初の全英No.1を記録し、’73年遂にデビュー・アルバム 10ccをリリースした。

‘74年セカンド・アルバム シート・ミュジック のリリースを最後にUKレコードを離れ、メジャーのフォノグラムと契約。’75年には全英1、全米2位の大ヒット曲「アイム・ノット・イン・ラヴ」を収録した オリジナル・サウンドトラック をリリース。その人気は世界的なものとなっていった。’76年4作目となる びっくり電話:ハウ・デア・ユー をリリース。スチュワート&グールドマン組のメロディー・メイカーとしての才能とゴドレイ&クレームの実験性がうまくかみ合い、アルバムも高い評価を受けたが、ゴドレイ&クレームがギズモ(ギターの弦をこすることによってキボードのように持続音に変えられるアタッチメント)の開発とそれを使ったアルバム制作に専念するために脱退。10ccは二つに分裂してしまった。

脱退したゴドレイ&クレームは’77年ギズモを駆使したアンログ3枚組の大作 ギズモ・ファンタジア をリリース。その後も L (’78年)、 フリーズ・フレーム (’79年)、 イズミズム(’81年)、バーズ・オブ・プレイ(’83年)とコンスタントに作品をリリースする一方でポリス、 デュラン・デュラン等数多くのプロモーション・ビデオを制作、ビデオ監督として数々の賞を受賞し名声を馳せていた。すると今度は’85年に自らが手掛けた人の顔が次々に変わっていくプロモが話題となってシングル「クライ」が大ヒット。10cc時代のナンバーも組み合わせた ヒストリー・ミックスVol.1 をリリースするなど久々に音楽面でも成功を収めた。’88年の グッバイ・ブルー・スカイ のリリース以降はしばらく音沙汰がなかったが、’99年アート・オブ・ノイズの10年ぶりの新作 ドビュッシーの誘惑 でロル・クレームが正式メンバーとして参加し話題となった。

一方、残されたスチュワート&グールドマンはそのまま10ccを名のり続け、’77年その活動を不安視する声をよそに、その見事なソングライティングの才能を見せつけた 愛ゆえに をリリースし大ヒットとなる。ライヴ・アルバムをはさんで’78年には3曲目の全英No.1となった「トロピカル・ラヴ」を収録した ブラッディ・ツーリスト をリリースするなど分裂後の活動も順風満帆のように思われたが、’79年に入ってすぐにエリック・スチュワートが交通事故で重症を負い、活動休止を余儀なくされてしまう。ようやく’80年に ルック!ヒア! で復帰するが、ニュー・ウェイヴ・ムーヴメントの真っ只中ということもあってか不発に終わり、ミステリー・ホテル(Ten Out Of 10, ’81年)、都市探検(Windows In The Jungle, ’83年)をリリースし解散する。

解散後のエリック・スチュワートは主にウィングスなき後のポール・マッカートニーとの活動が中心となり(「ソー・バッド」のプロモなどで彼の姿を見ることが出来る)、グレアム・グールドマンはアンドリュー・ゴールドと新グループWAXで3枚のアルバムをリリース。「ブリッジ・トゥ・ユア・ハート」などのヒット曲を生んだ。

その後、’92年10ccはアルバム ミーンホワイル、’95年には「アイム・ノット・イン・ラヴ」の新録音を含むミラー・ミラー をリリースして復活を果たすが、いずれもヒットには至らなかった。その後エリック・スチュワートは’97年のアラン・パーソンズの オン・エアー にゲスト参加(ソロ・アルバム制作中との情報も有り)、グレアム・グールドマンは再びWAXを始動させ、ベスト&新録の ザ・ワックス・ファイル(’97年)、コモン・ノレッジ(WAXの前身)時代の音源を含む common knowledge.com をリリース。2000年には And Other Thing… というソロ・アルバムをリリースし、メロディー・メイカーとして健在振りを示した。

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コメント

「I'm not in Love」いい曲ですね~
私はおじんなので、リアルタイムで聞きました。小学生でした...(ませたガキ)
ベイシティローラーズで洋楽に目覚めたころです。1975年と言えば、確か「サタディナイト」という曲が大ヒットしてた頃ですよね。
ジグソーのスカイハイとか、オリビアニュートンジョンとかこの頃だな。超なつかしい~

この10ccのアルバムはオリジナルのUK版を持っています。(実家の倉庫の肥やし状態ですが...)
さすがにローラーズは今は聞けませんが、10ccは趣味がイイと思います。

投稿: 3troy | 2006年7月24日 (月) 午後 03時06分

3troyさん、こんにちは。
たぶん、ほとんど同世代ですね(^o^;
洋楽は映画音楽→クラシック(というかイージーリスニング?)→ポップス、ロックと入っていったのでちょうどヒットした時期を聴き逃していたのでしょう。
わけもわからんくせにショスタコーヴィチとか子供ながらに聴いてましたよ(笑) あ、生誕100年じゃん!
ベイシティローラーズについては「えすえーてぃゆあーでぃえわい、ないっ!」というのが耳タコになったくらいでそれ以外全くわかりません。
10ccはアルバムとしては「How dare you」が一番好きです。

投稿: OnOuE | 2006年7月24日 (月) 午後 07時42分

こんばんは!呼ばれなくてもやっぱり出てきました。お久しぶりです。
おのうえさんのiPod、「トップ25」気になります。是非みてみたいなあ。
ちなみに私のPodでは「I'm not in Love」は第8位です。1位はCarly Simonの「Nobody Does It Better」です。この人の声好きなんですよね。

今月、自宅のオーディオを一新しました。スピーカーは結局JBL4312Dになりました。そろそろエージングも終わりかけでいい音になってきましたが、部屋のほうがスピーカーに負けていて床鳴りがします。ブロックや角材などいろいろ試していますが、まだまだ・・奥が深いです。

投稿: かんとも | 2006年7月24日 (月) 午後 08時38分

「Nobody Does It Better」ですか、僕も子供の頃から大好きな曲でした。007「私を愛したスパイ」のテーマ曲でしたよね。
僕も007のテーマ曲集CDの中の1曲として持ってますよ。カーリーサイモンの声は僕も大好きです。口の大きさが良くわかる声ですよね(笑)
「Torch」というJAZZ風味のアルバムがありますがこれが実に情感たっぷりで愛聴盤となっています。
 
スピーカーはJBLですかあ、バリバリ鳴るんでしょうね。JAZZとか聞くといいんでしょうね、やっぱり。

投稿: OnOuE | 2006年7月24日 (月) 午後 09時25分

たぶん私の場合、死ぬほど聞いたアルバムはDonald Fagen "The NightFly" だと思います。
LP盤4枚(3枚擦り切れ)CD2枚持ってます。(最初に買ったCDもこいつ)
今も、深夜の首都高ドライブはこいつがBGMです。

iPodで聞くようになって、部屋中のCDをひっくり返して探す手間が無くなりましたが、お気に入りのCDやLPを捜索する行為自体が楽しかったので(違うもの見つけたりして聞き入ったり)、少し便利すぎてさびしい面もありますね。

投稿: 3troy | 2006年7月25日 (火) 午後 03時05分

The NightFly、かっこいいですよね。ジャケットもめちゃシブ。Steely Danの「Aja」「gaucho」とともに当時「ああ、俺ってオトナじゃーん」という気分に浸れたアルバムでした。
僕の場合、今までで一番聴いたアルバムはPat metheny Groupの「Letter from home」かSadeの「Stronger than pride」でしょう、多分。

自分も最近iTunes&iPodでしか音楽聴かなくなってしまいました。オーディオセットで聴く時もAirTunesで飛ばして聴いているし・・・。お手軽になりすぎるとなんか深みがなくなってきますね。

投稿: OnOuE | 2006年7月25日 (火) 午後 05時23分

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受信: 2007年2月20日 (火) 午前 01時24分

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